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【映画】グッドライ ~いちばんやさしい嘘~ / あらすじ・感想

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久しぶりに良い映画と出会いました。

www.goodlie.jp

「内戦」「孤児」、キーワードだけでも気が滅入りそうですが、この映画は、扱っているテーマが重いにもかかわらず、「絶望感」ではなく、未来を考えるための「希望」と「機会」を与えてくれます。内容が終盤に差し掛かると、目には薄っすらと涙が溜まり、エンドロールを迎える頃には「私にできることは何だろう」と考えていました。

先ず私にできることは「スーダンの内戦について一人でも多くの人に共有すること」だと思い、この記事を書きました。

 

 

スーダンの内戦

スーダンの内戦についてザックリまとめました。宗教が発端で起きた約21年間にも及ぶ内戦だったようです。
1983年、スーダン内戦勃発。1983年当時のヌメイリ政権が国政にイスラム法の導入に南部の非アラブ系住民が反発し、内戦へ。数万人の子供たちが両親と住む家を失い、孤児となった。スーダンの孤児は「ロストボーイズ - Wikipedia」と呼ばれている。
2000年、アメリカとスーダンが協力し、難民キャンプで育った3600人の若者をアメリカに移住させる計画を実施。
2005年、約190万人の死者を出したスーダン内戦終結
 

あらすじ

スーダン兵によって村に火をつけられ、親を殺された子供たちが、命からがら逃げるところから映画は始まります。そこから永遠と歩き、歩き、歩き続けること1256キロ。なんとかケニアの難民キャンプに辿りつきます。

1256キロって、フルマラソン約30回分ですよ。もっとザックリ言うと、広島から札幌までの直線距離と同じくらいです。

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こんなに長距離を移動したにもかかわらず、難民キャンプに到着すれば全て解決とはいきませんでした。その後13年間も難民キャンプで生活をし、成長した子供たち、マメール、アビタル、ジェレマイ、ポールは「難民キャンプで育った3600人の若者をアメリカに移住させる計画」によってアメリカへ行きの機会を手にします。彼らの行先はカンザスシティー。

 

ここまでが映画の前半で、後半はアメリカでの生活が描かれています。

カンザスシティーの職業紹介所で働くキャリーは、アフリカから到着したマメールと2人の仲間たちを空港まで迎えに行く。彼らは内戦で両親を亡くした、“ロストボーイズ”と呼ばれる難民たちだ。そつなく仕事をこなしてきたキャリーに与えられたのは、電話を見るのも初めての彼らを就職させるという、最難関のミッションだった。車に乗せれば一瞬で酔うし、牧場を見ると「猛獣はいますか?」と確認、面接では珍回答の連続で、なかなか仕事が決まらない彼らに最初はイラつくキャリーだったが、その成長を見守るうちに思いがけない友情が芽生え始める。 徐々に新生活が軌道に乗り始めたかに見えたころ、悪い報せが入る。仲間の1人が「いくら働いても誰にも相手にされない」と怒りと悲しみを爆発させて問題を起こし、警察に連行されてしまったのだ。そしてその事件は、アメリカ生活でマメールたちがひっそりと耐えていた痛みや不満を暴きたててしまう。 傷つかないで済むからと、他人と距離を置いて生きてきたキャリーが、3人を助けようと立ち上がる。
果たして、彼女の信じがたい決断とは──?
引用元:映画「グッド・ライ~いちばん優しい嘘~」公式サイト
 

感想

これが人間らしさ

映画前編(親と故郷を失った子供たちが難民キャンプを目指して歩いている部分)で印象に残っているのは、子供たちが木陰で座っている人に「ハイエナ除けの枝を拾ってくれ」と頼まれるシーンだ。この人は自分で歩いて枝を拾ってくることさえ困難で、死の間際なのは誰の目にも明らかだった。しかし、頼まれた通りに枝を渡すだけではなく、自分たちにとっても貴重な飲み物と食べ物を渡す。
 
これが「人間の優しさか」と思った。「貴重な飲み物と食べ物は、これから何キロも歩き続ける子供たちが食べるべきなのではないか」と思った自分が恥ずかしくなった。何でもゴールから逆算して、無駄なく、効率的に、を考えすぎていたのではないか。人間らしさを失ったら私は一体何なのかと思わずにはいられなかった。
 

アメリカって偉大だった(過去形)

2017年トランプ大統領が就任してからは「外国人は要らねえ~」という風潮が蔓延していますが、 この映画の主人公たちは難民キャンプで育った3600人の若者をアメリカに移住させる計画」によって、アメリカ行きのチケットを手にします。今のダメリカを念頭にこの映画をみると難民にとって都合が良すぎるストーリー展開に「この難民たちは実は騙されていて、人身売買されて過酷な環境で働かされるのではないか。だからグッドライというタイトルなのではないか」と思ってハラハラしながら見ていました。

ところがどっこい、この予想というか心配は良い意味で裏切られます。アメリカ人は、スーダンから来たばかりの彼らを決して「邪魔者」や「異物」として扱いません。もちろん映画なので脚色されている部分はあるかもしれませんが、一人のアメリカ人として周りから受け入れられている雰囲気がありました。

 

人の痛みが分かる人

職業紹介所で働くキャリーは、最初はロストボーイズに「仕事を紹介する」という普段通りの仕事をするつもりだった。しかし、彼らを知るうちに「難民」についてネットで調べ、彼らの過去を知り始める。ロストボーイズはキャリーに会った時から「引き離された妹」との再会を訴えていた。最終的にはその「妹」を彼らと一緒に住ませるために、キャリーの自宅を難民の受け入れ先にする覚悟を決める。

キャリーがここまで行動したのは、ロストボーイズが礼儀正しく懸命に生きようとしている姿に感化されたこと、彼らのことを詳しく知っていったことも理由に挙げられるが、キャリー自身が「人の痛みを分かち合える人」だったからだと思った。映画では詳しく語られないが、キャリーは2年前に妹をガンで亡くしている。人付き合いの良いキャリーであれば、キャリー曰く「ノーテンキな妹」とも仲が良かったはずだ。妹の死について「ガンで亡くなった妹の代わりになりたかった?」という質問に小さく頷いた。人の死の悲しみは2年では乗り越えられるわけもないので、キャリーにとっては、ロストボーイズが妹と会いたがっていることは他人事に思えなかったんだと思う。

もう一つ、気になったのはキャリーの家の汚さだ。ロストボーイズもドン引きの汚さなのだが、これは妹との死別によるショックでこのような状態になってしまったのではないかと思った。しかし、キャリーが自宅を難民の受け入れに相応しい場所と認可されるために大掃除を始める。このシーンは、キャリーが妹に関する悲しみから少し前進したことを表しているのではないかと思えた。 ロストボーイズのための行動が自分の前進にも貢献する。本当に人のためになることは、自分のためにもなる。

 

空腹の時に食べ物を分けられるか

「難民」はまだまだ沢山いるし、「内戦」は世界中で続いている。それにもかかわらず、昨今はヨーロッパ、アメリカ問わず「難民なんて邪魔だ。俺らの国を食いつぶすやつらだ」という見方が強まっている。そもそも日本は難民をほぼ受け入れていない。

「そんな人たちの面倒を見る余裕は私たちには無いんだよ!」と。

前述の「瀕死の人の人に出会う場面」を思い出したい。親も家も失った子供たちが、難民キャンプを目指すために、太陽がジリジリと全ての水分を奪っていく環境を身一つで何キロも歩き続けいている。そんな時に、あと何日生きれるか分からない人に飲み物と食べ物を分けてあげる。

 

家族がいる、家もある、電気もある、水道もある、冷蔵庫に2日分ぐらいの食料はある、テレビ・パソコンもある、iPhoneも持っている、そんな国に住んでいる人たち、私も含めて「人に分ける余裕」が無いのは何故なのか。

 

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